統合レポート

INVESTOR RELATIONS

三越伊勢丹グループは
目指す姿(ビジョン)の実現に向けて、
ビジネスモデルを“館業”から“個客業”へ変革していきます。

そして、まち化を手段に4つの変革を加速させ、
個客業ビジネスモデルのさらなる進化を目指していきます。

今までは「館」にお客さまを集客して、何かしら買って帰っていただくことを基本とした「館」を中心としたマス向けのビジネスモデルでした。
これからは、世界中からより多くのお客さまを集客し、つながり、その個客のことを深く理解し、さまざまな接点でお役に立つことでつながりを深め、ウォレットシェアとライフタイムバリューの最大化を目指す個客業へ変革していきます。

トップメッセージ

CEOの細谷が、百貨店の再生とその先に目指していく“個客業”への変革について、お伝えしています。

海外機関投資家×CFO対談

海外機関投資家をお招きし、戦略の進捗と今後目指していく姿や、財務戦略とマーケットとの対話のあり方について、CFOの牧野と意見交換を行いました。

経営環境認識

三越伊勢丹グループを
取り巻く環境
  • 【外出機会の増加や消費意欲の拡大】
    新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行・インバウンド増加
  • 【個人消費に持ち直しの動き】
    日本銀行のマイナス金利政策解除→金利の引き上げによる
    持続的に物価と賃金が上昇する環境の整備、株高による資産効果
  • 【実質賃金のマイナス継続】
    世界情勢や為替相場変動の影響によるエネルギーコストや原材料価格の高騰
  • 【消費の二極化が進む懸念】
    株価や円相場の不安定な値動きによる不透明な先行きから一部に消費に慎重な傾向
対処すべき課題
  • デジタル技術の急速な進展
  • 気候変動に伴う自然災害の激甚化
  • 急激な為替変動や地政学リスクがもたらす景気動向への影響
  • 世界人口の増加や訪日外国人の増勢
  • 金融資産増加による富裕層の拡大

都心部人口と世界人口は引き続き拡大

日本の人口は約1億2,400万人で、2008年をピークに減少し、30年後に1億人になるといわれています。一方、都心部人口は拡大し、東京都の人口は2040年のピークに向けて上昇。また、世界の人口は約80億人といわれており、100億人に向けて右肩上がりです。

訪日外国人数は今後も増加見込み

訪日外国人数は、コロナ禍以前は2019年7月がピークでした。その後コロナ影響で激減し、22年10月の水際対策緩和以降伸長を続け、30年には6,000万人を目指すとされています。

国内富裕層の世帯数・保有資産は増加傾向

直近の約10年で、国内の富裕層は大幅に拡大したといわれています。資産額は約10年で30%ほど増え、世帯数も20%増えています。※富裕層=保有金融資産1億円以上

全国百貨店の売上は1991年の約半分に減少

直近の約50年で、国内全体の消費額の規模は変わらないながらも、さまざまな競合(コンビニエンスストア、ショッピングセンター、アウトレット、eコマースなど)が参入してきました。1991年には約10兆円あった百貨店売上が5兆円強と約半分に減少しています。

このような複雑化する事業環境下で、三越伊勢丹グループにとっての「リスクと機会」を見定めながら、社会や事業環境の変化に対応してお客さまのご要望を先取りし、革新的なご提案をしていきます。

個客業というビジネスモデル

グループの目指す姿の実現には既存のビジネスモデルからの変革、マスから「個」への転換は必然であり、私たちの強みを生かし時代に合った「個」のビジネスへ進化することを決断しました。

識別した「個客」へ提供価値を拡大

百貨店で集客したお客さまを識別化し、百貨店で培った個客との「線」のつながりを生かしつつ、個客との関係性を「線」から「面」のつながりへ拡張していきます。
これまでの百貨店の枠を超え、グループリソースを含む個客視点の多様な価値を提供することで、お客さまの暮らし全般をより豊かにしていきます。

3つの重点戦略と個客業に向けた業務プロセスの関係性

個客業では、お客さまの暮らし全般をより豊かにすること通じて、お客さまと一生涯お付き合いできる状態を目指します。高感度上質消費を求める全てのお客さまを、館の魅力で集客し、三越伊勢丹アプリやエムアイカードで識別化したら、個客お一人おひとりのニーズやインサイトを分析し理解します。
そして、百貨店を主軸に“連邦・まち化”戦略により、従来の価値提供を超えたコンテンツをお客さまお一人おひとりに合わせてご提案・ご提供することで、お客さまの心を動かし、生涯にわたって三越伊勢丹グループをご利用いただきます。

個客業における価値提供の考え方

世界中からお客さまを集め、識別化してつながった個客のパーソナルなニーズやインサイトにお応えするために、私たちの働き方も変革していきます。お客さまお一人おひとりを中心として、お客さまの暮らしを豊かにする提案を「ひとの力」と「三越伊勢丹アプリ等のデジタル」を介して行っていきます。さらに、連結子会社の連邦活動による組み合わせで多様な個客価値を提供することで、各事業の収益性を高め、長期に目指す姿を実現していきます。