対談・インタビュー

SUSTAINABILITY

【インタビュー】高度な技術と誠意をもって、歴史的建造物の再生に取り組む

2024.11.29

文化の継承と革新

#文化・伝統の継承

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(株)三越伊勢丹プロパティ・デザイン

三越製作所 プロダクト設計

高橋 怜亜

※所属は2024年11月時点のものです。


日本政治史上の重要な場所の家具復原に携わることは、当社が持つ家具製作技術の強みを活かすことができると同時に、社内の技術継承の貴重な機会につながるため、挑戦させていただきました。

 

復原は新規の家具製作業務とは別の目線が必要で、古写真から漠然と再現するのではなく、歴史的背景から根拠をもって推定復原を行う難しさがあります。螺鈿(らでん)一つとっても、どの国のいつの時代かによって文様や装飾量などが異なります。図書館やインターネットなどの史資料を参考に、まるで昭和2年頃にタイムスリップをした気持ちで分析しつつ、現存する建具サイズとの比率から整合性を高めるなど、考察を重ねて作図しました。

 

現在手に入らない材料などは現代技法でどのように表現するか、外部の設計監督者とも協議し、製作過程においても職人の皆さまと相談をしながら、より古写真に近づくよう試行錯誤しました。

設計の先輩方からアドバイスをいただいた復元や復原を行うためのスキルやマインドを、私も後輩たちへ継承していきたいと思います。

 

荻外荘は2024年12月より一般公開されますので、ぜひ足を運んで現物を見ていただけるとうれしいです。

【think good】国指定史跡荻外荘復原・整備プロジェクト

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