“think good”の取り組み事例

SUSTAINABILITY

「KUROZOME REWEAR」黒く染め替えて生まれ変わる服

2021.11.30

百貨店業での取り組み

#文化の継承と革新 / #環境への取り組み

三越伊勢丹グループでは、「モノを大切に長く使う価値観の享受」をテーマに4Rの推進に取り組んでいます。

この一環として、2021年3月より、三越伊勢丹オンラインサイト内のリ・スタイルページにて、黒染めサービス「KUROZOME REWEAR」をスタートしました。このサービスでは、日本の伝統的な正装である黒紋付を100年間染め続けてきた(株)京都紋付と協業。独自の深黒加工(しんくろかこう)で、深みのある黒に染め替えることにより、お客さまの大切なお品物に、新たな命を吹き込みます。

黒く染め替える過程

また、京都紋付は、『大切な服を長く着られるようにすることで、サステナブルな社会を実現する』という考えのもと、染め替えの工程での染料にもこだわり、過去にエコテックス®スタンダード100認証のクラスⅡを取得したこともある染料を使用し、地球環境に配慮した加工技術の開発にも取り組んでいます。

黒染めを施した洋服の一例

累計の注文件数は、2024年7月時点で1,000点を超え、当初予想を大きく上回る反響をいただいています。

今後も、「KUROZOME REWEAR」を通じて、愛着のある一着を長く使う喜びや、限りある資源に関心を持つきっかけをご提供していきます。

INTERVIEW 社会課題を考えながらワクワクドキドキする仕掛けを提案

(株)三越伊勢丹は長い歴史の中で『ファッション』によってお客さまとのつながりを作ってきたことから、環境に配慮しながらのモノ作りでも、お客さまに高揚感(ワクワク、ドキドキ、これ欲しい、かわいい、かっこいい)を抱いていただく仕掛けが必要だと考えています。私はバイヤーとして、上質な洋服や独自性のある洋服をご提案してきましたのでお客さまには修理をしながら長く着ていただきたいという想いを常に持っていました。一方で、新たな高揚感が生まれる消費・サービスの在り方をお客さまにご提案するのも私たちの大切な仕事だと考えています。

「KUROZOME REWEAR」は、ご購入いただいて終わりではない、モノを介しお客さまとお取組先・地域と従業員の接点やコミュニケーションとなっています。また「どんなふうに仕上がるのだろう」といったお客さまの想像力を掻き立てる取り組みとなりました。

今後もデザイナーやクリエイターなど様々な人たちとのコラボレーションを通じて、ユーズドストックを蘇らせるプロジェクトを企画しています。これは単なる衣料品の再利用や修理ではありません。モノの仕込み、展開・世界観の仕掛け、販売、そのすべての過程においてお取組先や地域社会と協力しながら商品の価値を向上させ、お客さまにお伝えするのが百貨店の役割であり、最も大切なことだと思います。

(株)三越伊勢丹

クロージング&アクセサリーⅠグループ 新宿婦人営業部

神谷 将太

※所属は2021年11月時点のものです。

 

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