健康経営

SUSTAINABILITY

考え方

少子高齢化、生産年齢人口の減少、働き方への価値観の変化に伴い、働き方の自由度を拡大するライフワークバランスの実現が重要視されています。文字どおり「生活と仕事の調和」を実現させるためには、生産性向上や従業員の健康も重要な要素となってきます。
三越伊勢丹グループは、ライフワークバランスの実現に向けて、従業員が“働きやすさ”を実感できる環境をつくっていきます。従業員の多様な働き方や健康サポートなど、個々人が柔軟に働くことができるよう取り組みを進めていきます。

「いかなる時も“仕事最優先”ではない」「一人一人の人生や価値観が最大限に尊重され、それにフィットする企業・職場でありたい」という思いから、当社グループはワークライフバランスではなく、“ライフワークバランス”と表現しています。

ライフワークバランス

総実労働時間の短縮

メリハリのある働き方を実現することで、従業員の心身の健康を確保しライフワークバランスの向上につなげるため、継続的に総実労働時間の短縮に向けて取り組んでいます。単に時間だけを削減するのではなく、業務の見直しを図ることで、生産性の向上につなげています。

所定労働時間の短縮

(株)三越伊勢丹では、2019年度より1日の労働時間を30分短縮し(変更後の1日当たりの労働時間:7時間25分)、年間所定労働時間を1,972時間から1,840時間に短縮しました。

業務改革

(株)三越伊勢丹では、効率的な働き方を進めるため、Office 365の活用や業務用スマートフォンの貸与、書類のオンライン化(ペーパーレス)、会議の在り方の見直しなどの業務改善を実施しています。
長時間労働抑制のため、PC使用時間を把握するシステムにより労働時間を客観的に把握できる仕組みも導入しています。また、勤怠関連の意識・知識浸透に向けて、CHRO(チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー)からの従業員への啓発動画発信や、全従業員へのeラーニングの実施や、毎月、労働組合と協働で時間管理に関して所属や個人に確認・啓発するなどの取り組みも行っています。

テレワーク

モバイルPCと通信機器を貸与することで、外出先など通常勤務先以外での業務遂行を可能にしています。2015年度より、テレワークの推進に努めています。

現状の取り組み
1)在宅勤務制度
  • 2017年度より導入しています。
  • 対象者は雇用形態ではなく「自宅で通常業務が自律的に実施可能か」で判断・実施しています。
  • 2023年9月時点で(株)三越伊勢丹と(株)三越伊勢丹ホールディングスの合計で、2,770名(全従業員の約38%)が実施しています。
2)社内サテライトオフィス
  • 2019年度より順次導入しています。
  • 新宿、日本橋、銀座、浦和の店舗または周辺ビルにて執務可能な共有スペースを設置しています。
  • 店舗立ち寄り時や顧客・お取組先訪問後の残務処理時に活用することで、総実労働時間の短縮にも貢献しています。

年次有給休暇

グループとして年間の取得目標(55%以上消化)を掲げ、取得推進を図っています。期初に連休取得計画を立案することで、有給休暇を取得しやすい環境づくりを推進しています。

ヘルス&メンタルケア

従業員が心身ともに健康で勤務できるよう、様々な取り組みを進めています。
健康経営を推進し、従業員一人一人が心身ともに健康で勤務できる体制を整えていくことは、従業員満足度の向上にとどまらず、会社としての質・量両面の生産性向上に寄与すると考えています。
こちらは、少数精鋭で業績を上げることを目指している当社グループにとって重要な取り組みであると捉えています。
そこで現在、人事部門内に担当者を配置し、健康保険組合や労働組合とも連携しながら、従業員自らが健康への意識を高め、保持・増進できるようさまざまな施策に取り組んでいます。
具体的には、以下の取り組みをはじめ、休職者数の定期的な把握・原因分析に基づいた対策・啓発などを行っています。

健康診断

従業員が健康に勤務できるよう、年に1回、健康診断を実施しています。法定以外の項目についても定期的に健康診断を行い、年齢や個人の状況に応じて実施内容を変えており、満40歳になる年からは、5年に一回、人間ドックを実施しています。
診断結果に対して細やかなフォローを行うことで、従業員一人一人の健康管理を支援しています。

健康診断受診率
  受診率
2020年度 95.6%
2021年度 96.8%
2022年度 94.0%

グループ計

産業医の配置

(株)三越伊勢丹では、常勤産業医を伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店に各1名配置しています。非常勤の産業医7名と連携を取り、従業員の健康診断結果や安全衛生体制を確認しています。従業員は自分の健康診断結果に関する質問や、健康に関する相談を産業医に申し込むことができます。また、メンタルヘルス専門の産業医もおり、心身の健康管理に対応しています。

メンタルケア

メンタル不調による休職などを未然に防ぐため、社内・社外に相談窓口を設置して早期に相談しやすい環境をつくっています。また、一旦休職に至った従業員に対しては、勤務時間や業務を調整して段階的に通常業務に復帰できる仕組みを設けています。

ハーフタイム

気軽に体調など健康関連のことを社内の保健スタッフへ相談できる制度です。状況に応じて産業医との面談や医療機関の紹介を行っています。

ハーフタイム利用者数
  利用者数
2021年度実績 35

(株)三越伊勢丹

ストレスチェック

組織のストレス状態を捉える機会として、グループ全体でストレスチェックを活用しています。本人への結果通知はもとより、管理職には組織の調査結果をフィードバックすることで、組織改善に結びつけています。

ストレスチェック受検率
  グループ計 (株)三越伊勢丹
2020年 93.8% 96.5%
2021年 97.0% 98.0%
2022年 99.7% 99.5%
2023年 99.4% 99.7%

カウンセリングルーム

体調相談中心のハーフタイムとは異なり、職場問題やハラスメント関連を産業カウンセラーに相談できるカウンセリングルームを設けています。

労働災害防止

(株)三越伊勢丹では事業所ごとで労働災害の状況や対策の実施状況を会社と労働組合の両者で確認しています。職場巡視による確認など、産業医とも連携し、労災の未然防止に努めています。
加えて、年2回、中央安全衛生委員会を開催し、職場をまたいだ社内の労働災害発生状況の確認や、全社のリスクアセスメントの分析結果の共有、長時間労働削減施策の好事例の共有などにより、各取り組みの精度向上を図っています。