多様な価値観の尊重

SUSTAINABILITY

三越伊勢丹グループは、すべての人が自分らしく生きられる社会の実現を目指し、多様な価値観や背景を尊重しています。お客さま、お取組先、株主・投資家、従業員など多様なステークホルダーの皆さまが持つ個性や考え方を尊重することが、新たな発想と価値を生み、企業としての成長と社会への貢献につながると考えています。多様性を力に変え、誰もが安心して自分らしく輝ける環境づくりに取り組み、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指します。

多様なニーズへの革新的な提案

ユニバーサル対応

当社グループは、人権・国籍・性別・宗教・年齢・障がいなどに関わらず、すべての人が活躍できる「ユニバーサル社会」の実現を目指しています。多様なニーズを的確に把握し、商品・サービス・店舗環境の面で安全・安心・高い利便性を提供するとともに、お客さま一人ひとりの細やかなニーズに寄り添い、新たな付加価値を創出します。

また、「三越伊勢丹グループ人権方針」に基づき、多様な個性を尊重し、人種・民族・国籍・信条・宗教・性別・性的指向・出身地・年齢・疾病・障がい・雇用形態などによる差別や、個人の尊厳を傷つける行為を行わないことを徹底しています。

ユニバーサルマナーへの対応

ユニバーサルマナーハンドブック

この方針を現場で実践するため、従業員一人ひとりが「ユニバーサルマナー」を理解し、行動できる体制づくりを進めています。ユニバーサルマナーとは、多様なお客さまに配慮し、心地よく対応するためのマインドと行動指針です。2018年3月には当社オリジナルの『ユニバーサルマナーハンドブック(基本編・実践編)』を策定し、概念・基礎知識・対応マナー・実践例を掲載。従業員研修等で活用しています。
日本百貨店協会と連携し、全国の百貨店への活用を広げ、業界全体のサービス品質向上と社会的包摂の推進に貢献しています。

さらに、2017年度より民間資格「ユニバーサルマナー検定」の取得を推奨。1980年代からは社内資格制度を設け、手話習得を推進し、認定を受けた「手話バッチ」保有者が店頭でお客さまをサポートしています。

すべての人に安心と快適なお買い物体験を〜合理的配慮の取り組み〜

社会の高齢化や訪日外国人の増加、ライフスタイルの多様化に伴い、買い物や施設利用に不安を感じる方が増えています。当社グループは2024年4月施行の改正障害者差別解消法に沿って、法令対応にとどまらず独自の工夫とサービス拡充を継続しています。
すべてのお客さまが安心してお買い物や施設利用を楽しめるよう、全国の店舗・施設で、設備面とコミュニケーション面の両軸で「合理的配慮」に基づく環境整備を進めています。

設備面での配慮

移動支援

各店舗で車いすの貸し出しを行っているほか、三越日本橋本店では歩行器、新潟三越伊勢丹ではシルバーカートも貸し出しています。
伊勢丹新宿本店、三越銀座店、伊勢丹立川店では、車いすやベビーカーをご利用のお客さま、歩行に不安のある方専用のエレベーターを運用。扉や押しボタン上部に「専用エレベーター」と明記し、利用対象が一目で分かるようにしています。専用設備がない店舗でも、優先利用可能なエレベーターを導入し、混雑時でも安全かつスムーズな移動をサポートしています。

施設環境整備

多機能トイレや、一部店舗で音声案内機能を設置し、視覚や身体に障がいのある方も安心して利用できる環境を提供しています。お客さま用だけでなく、店舗バックヤードや倉庫などの従業員施設にもバリアフリートイレを設置し、働く環境にも配慮しています。

コミュニケーション面での配慮

一部店舗では、支援が必要なお客さまへのお買い物サポートを実施。筆談ボードの設置や手話対応スタッフを配置し、聴覚障がいのあるお客さまとの円滑なコミュニケーションを図っています。

関連事業での取り組み

百貨店事業だけでなく、旅行事業や金融事業でも、お客さまの多様なニーズに応える取り組みを展開しています。

(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルのユニバーサルツーリズム

ゆったり度1「疲れず、しっかりと観光ができる」徒歩観光を取り入れながらも、長時間の歩行にならないよう配慮し、見どころをしっかりと楽しむ。ゆったり度2「徒歩観光を減らして旅を楽しむ」長時間歩行や長い階段、急な坂道などを極力避けて観光。徒歩観光に自信がなくなってきた方も気兼ねなく楽しむ。ゆったり度3「ほとんど歩かず旅を味わう」体力的に旅行をあきらめていた方に、歩行時間を最小限にとどめ、安心して気兼ねすることなく楽しむ。

(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルでは、お客さまが安心して参加できる「ユニバーサルツーリズム」の旅行プランをご用意しています。主催旅行ブランド「和(なごみ)の旅」では3段階の「ゆったり度」を設定し、お体に合った旅行プランをお選びいただけます。
徒歩移動を抑えながらも、観光や食事など旅の魅力を十分に楽しめる行程で旅をお楽しみいただけます。

(株)エムアイカードでのサポート

視覚に障がいのある方を含むすべてのお客さまに、エムアイカードのお申し込み機会を等しく提供。ご不便となり得る点や留意事項は丁寧にご説明し、同意に基づく代理入力や代筆を行います。
また、聴覚障がい者や発話に困難のある方と聞こえる人を手話通訳でつなぐ「電話リレーサービス」を導入し、必要な時に確実に利用できる体制を整えています。

これらの取り組みにより、安全でスムーズな移動や情報アクセスの向上につながっています。今後も現場の声を踏まえ、持続的な改善と長期的視点で取り組みを進め、案内サインのユニバーサルデザイン化、設備導入の拡充、従業員研修の強化を行い、誰もが安心して楽しめる体験を提供し続けます。企業価値と社会的信頼を高め、国際的な基準や社会の期待に応える企業であり続けます。

ビューティーで誰もが輝く社会に

三越伊勢丹グループは、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」の理念のもと、すべての人が自分らしく輝ける社会の実現を目指しています。
第2MDグループ化粧品MD部および伊勢丹新宿本店化粧品営業部による「ISETAN BEAUTY × DE&I」 プロジェクトでは、多様な背景や価値観を持つすべての人が自分らしくビューティーを楽しみ、ありのままの自分を肯定できる環境づくりに取り組んでいます。

太田宏介氏作品「クジラ、ライオン、カモメ」

2025年度の取り組みでは、障がいのあるアーティスト、太田宏介氏とのコラボレーションで、オリジナルノベルティやコラボパッケージアイテムを制作。すべての人が自分らしく前向きに歩んでいけるよう願う気持ちに、ISETAN BEAUTYのDE&Iの理念を重ね、今回の取り組みが実現しました。また、ノベルティ制作の仕上げ工程では株式会社三越伊勢丹ソレイユと協業し、従業員の多様性にも光を当てた取り組みとなっています。
三越伊勢丹グループは、今後も事業活動を通じて経済価値と社会価値の両立、そして持続可能な社会の実現に貢献してまいります。何よりも、お客さま一人ひとりの多様な価値観やニーズを尊重し、個性やご期待に応じた商品・サービスの提供を追求することで、すべてのステークホルダーの皆さまに新たな価値をお届けし、企業価値のさらなる向上を目指します。

デジタルを活用した顧客体験

お客さまのライフスタイルが多様化するなかで、三越伊勢丹グループはお客さまお一人お一人の異なるニーズに対応した独自のご提案を行っていくことを推進しています。
食品定期宅配サービス「ISETAN DOOR」や化粧品オンラインストア「meeco(ミーコ)」などのデジタルサービスに加え、「三越伊勢丹・カスタマープログラム」へご参加のお客さまを対象とした3D計測したお客さまの足型データをもとに、三越伊勢丹の社内有資格者が最適な靴選びをお手伝いする伊勢丹新宿店 婦人靴のサービス「YourFIT365(ユアフィット365)」や、スタイリングサービス「Match Palette(マッチパレット)by SCANBE」など、オンライン上でのコミュニケーションも進化しています。
ひとの力、デジタルの力、店舗というリアルの接点を最大限に活用し、お客さまそれぞれにとっての最適な顧客体験の実現に取り組んでいます。

店頭で足を計測する女性、スマートフォン・タブレットの画面で靴を選ぶ様子、YourFIT365のロゴが表示されている
Match Palette by SCANBEのロゴ、タブレットで洋服を紹介する様子、女性が店頭のスキャナーで体型を計測している様子が表示されている

新たなつながりの創造

メタバースを活用したコミュニケーションアプリ「REV WORLDS」

「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」は、当社グループによる、メタバースを活用した仮想都市コミュニケーションアプリです。
お客さま(ユーザー)は、アバターを操作して、新宿をイメージした仮想都市を散策し、仮想伊勢丹新宿本店や企業ブースでショッピングやコンテンツを楽しめます。家族や友人、他のユーザーとチャットなどでコミュニケーションを楽しみ、「人とのつながり」を体験しながら、まちや店内で思わぬ商品との出合いやあたらしいきっかけを感じることができます。
提供開始してから2年以上が経ち、さまざまな企業・ブランドの出展やイベントを開催してきました。2023年10月からは三越創業350周年企画と連動し、アプリ内のバーチャルアートギャラリーにて「つつむ 日本の様式美 HANA-HIRAKU」展を開催しました。全国の子どもたちによる包装紙のデザインや、贈り物にまつわる展示、クイズなどの参加型企画など、三越の包装紙の歴史をめぐるバーチャル展覧会です。
リアルもデジタル上でも、より豊かなライフスタイルを提供できるよう、自社や他社のコンテンツを取り入れながら、サービスを向上させていく予定です。

仮想伊勢丹新宿本店
バーチャル展覧会