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“伝統と文化の継承”三越日本橋本店が重要文化財指定に

2016.05.23

サステナビリティ

三越伊勢丹グループでは、お客さまのライフスタイルをより豊かなものにするため、世界中の価値ある文化や芸術をご紹介する取り組みや、日本の良さを新しい価値として再認識していただく取り組み「JAPAN SENSES」、さらに「クール・ジャパン戦略推進事業」に代表される日本と世界をつなぐ活動など、文化・芸術を支援する様々な取り組みを行っています。特に、日本の伝統的な文化・芸術を守り、後世に受け継いでいくことは、歴史ある百貨店としての社会的使命であると同時に、自らのアイデンティティーを守ることでもあると認識し、文化・芸術の支援に取り組んでいます。

今般、株式会社三越伊勢丹の三越日本橋本店(本館)が、5月20日(金)に開催された文化審議会の答申を受け、重要文化財の指定を受ける運びとなりました。三越日本橋本店(本館)は「わが国の百貨店の歴史を象徴する」ものとして評価をいただいており、「戦前期の商業建築を多数建築した横河工務所(現:㈱横河建築設計事務所)による一貫した設計により、外観はやや簡略化しつつも西洋古典様式に則った重厚な意匠で統一しつつ、内部では重厚な色調で彩られた三越劇場、幾何的意匠の中央ホール、特別食堂など各時代の先駆的な意匠を採用し、全体として極めて質の高い空間を創出しており意匠的に優秀である」と評されております。三越日本橋本店の現在の建物は、1904(明治37)年12月に日比翁助がデパートメントストア宣言を発し、1914(大正3)年10月ルネッサンス式5階建新館を落成してから、1935(昭和10)年、6年の歳月を費やし増築改修されたもので、完成当時は「国会議事堂」「丸ビル」に次ぐ大建築でした。なかでも、採光天井の下にフランス産赤斑大理石とイタリア産卵黄色大理石を張りつめた中央ホールは花園のような美しさです。102年経った今でも、変わらない姿で、お客さまにお買い物を楽しんでいただくだけでなく、文化・歴史を伝えてまいります。

主な歴史

1904(明治37)年12月 「株式会社三越呉服店」設立。初代専務に日比翁助が就任、「デパートメントストア宣言」を発し、日本初の百貨店となる
1914(大正3)年10月
ルネッサンス式5階建新館が完成。ライオン像や日本初のエスカレーターを設置
1923(大正12)年9月 関東大震災により本店罹災
1927(昭和2)年4月
本店増築改修工事完成。三越ホール(現三越劇場)開設
1935(昭和10)年10月 本店の増改築工事が完了。中央ホールが完成し、パイプオルガンを設置

主な部分の特徴

<外観>

全体的に古典様式の文脈で構成されるが、アーチを用いない水平、垂直線を強調した構成や、高塔(金字塔)のアールデコ風の装飾など新しい様式も取り入れる。また昭和10年以降の増築部についても、意匠をやや簡略化しつつも昭和2年建築部の外観と統一感を持たせている。

<三越劇場>

昭和2年増築時に建築。2層吹抜で東にステージを設けた劇場である。壁面と天井は大理石、木彫、石膏整形やステンドグラスなどにより装飾され、グレーを基調として様々な紋様や幾何学模様をペイント色彩で着色するなど、重厚で濃密な空間を構成する。

<中央ホール>

昭和10年増築時に建築。5層吹抜の大空間で、天井はステンドグラスをヴォールト状に配したトップライトとする。柱や梁、手摺廻りは大理石張りとし、手摺グリルやガラスなどをアールデコ風の装飾で飾る。

<特別食堂>

昭和10年増築時に新築、昭和31年、39年修築。フランスの室内装飾家ルネ・プルーによるアールデコで飾られる。緑色大理石の丸柱や柱頭部の持送り、壁面のグリルなど当時の潮流を示している。

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