経営環境と対処すべき課題

INVESTOR RELATIONS

環境認識

人と心の二極化が進展

国内では人口減少や高齢化が進む一方、国内外の富裕層人口は拡大を続けています。また消費者は日常的な支出では合理性を重視しながらも、自身の価値観やこだわりに合致する商品・サービス、体験には積極的に支出する傾向を強めています。こうした「人の二極化」と「心の二極化」の進展により、高感度上質消費市場は今後も成長が期待されます。

競争力の源泉の変化

消費者の価値観が多様化するなか、企業には価格や利便性だけではない差別化が求められています。顧客一人ひとりのこだわりやライフスタイルを深く理解し、信頼関係を基盤とした提案や体験価値を提供することが重要となっており、顧客との継続的な関係構築が競争力を左右する時代へと変化しています。

全国百貨店業界について

コロナ禍を経て回復し、再び成長軌道へ

日本の百貨店市場は、コロナ禍により2020年に大きく落ち込んだものの、その後は訪日外国人需要の回復や高付加価値商品の販売拡大を背景に回復基調が続いています。足元では市場規模はコロナ前の水準を回復し、国内外の富裕層による消費が市場成長を牽引しています。

出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高」

市場回復を支えるインバウンド需要と国内の二極化

近年の百貨店業界は、国内需要に加えてインバウンド需要が成長を支える構造へと変化しています。一方で成長の源泉は単なる来店客数の増加ではなく、高付加価値商品やラグジュアリーブランドを求める顧客層の拡大にあります。国内外を問わず、購買力の高い顧客との関係構築が競争力の鍵となっています。

高付加価値商品の需要拡大が市場を牽引

百貨店市場では、時計・宝飾品やラグジュアリー商品、化粧品など高付加価値カテゴリーが成長をけん引しています。市場は「大量販売」から「高感度・高付加価値消費」へとシフトしており、顧客一人ひとりに最適な提案を行う接客力や顧客理解が重要性を増しています。

三越伊勢丹グループの優位性

①基幹店舗の圧倒的な集客力

伊勢丹新宿本店をはじめとする、国内有数の売上高を誇る基幹店は、三越伊勢丹グループの価値創造の起点です。のれんの信頼と高付加価値な商品・サービス提供を通じて、世界中のお客さまを惹きつけています。

唯一無二のフラッグシップ

2025年度年間総額売上高

伊勢丹新宿本店

4,249億円

三越日本橋本店

1,690億円

三越銀座店

1,227億円

ランキングは各社開示資料および公表情報をもとに当社集計、売上高の定義は各社により異なる場合があります

②個客とつながる力

カードやアプリで繋がる「識別顧客」の売上高が大半を占め、外部環境に左右されにくい強固な経営基盤を形成しています。25年度からは、アプリを通じた海外顧客との繋がりも深まっています。

強固な識別顧客基盤

国内識別顧客数

835万

(2025年度末)

伊勢丹・三越両本店における
識別顧客売上高比率

Over70%以上

海外顧客向けアプリ 会員数

88万人

海外顧客向けアプリ+Wechatの合算
(2025年度末)

③百貨店の科学による構造改革

マスから個への転換と、科学の視点による経費構造改革を推進した結果、営業利益は10年前比で約3.3倍に成長しました。営業利益率も同期間で約1.9%から14.7%へ向上しています。創出したキャッシュを店舗投資や人的資本投資に再配分することで、持続的な成長基盤の構築を進めています。

高い収益性とキャッシュ創出力

2025年度営業利益

800億円

営業利益の拡大

2016年度から2025年度の10年間で

約3.3倍

営業利益率は営業利益÷売上高で算出

2022年3月期以降は収益認識基準適用後の売上高。
そのため、営業利益率を示す折線は適用前後で色分けして表示しています。