財務戦略の方向性

INVESTOR RELATIONS

牧野 欣功の画像と、取締役執行役常務 CFO 牧野 欣功という文字が表示されている。

1. バランスシートを意識した経営

当社は、資本効率の向上と財務健全性の維持に向け、バランスシートを意識した経営を推進しています。
具体的には、保有資産の圧縮・効率化や株主還元の拡充、有利子負債コントロール等に取組んでいます。

1)資産 ~保有資産の圧縮・効率化~

現預金は、一定の手元流動性を維持しながら保有水準の適正化を進めております。
また、政策保有株式(上場銘柄)については、毎年度、取締役会において継続保有の合理性を検証したうえで、段階的に売却を推進しています。直近5カ年においては15銘柄を売却し、2025年度末における保有銘柄数は21銘柄となりました。着実に売却が進む一方で、保有株式の株価上昇にともない、バランスシートの純資産に対する比率はやや上昇し、2025年度末において5.6%となりました。

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政策保有株式の保有銘柄数(上場株式)とBS計上額の純資産比率の推移を表すグラフ。銘柄数が棒グラフ、純資産比率が折れ線グラフで表示されている。銘柄数は、2021年度 36、2022年度 33、2023年度 28、2024年度 24、2025年度 21、純資産比率は、2021年度 3.9%、2022年度 4.1%、2023年度 4.6%、2024年度 4.0%、2025年度 5.6%。

2)純資産 ~株主還元~

当社は、「百貨店の再生」や「個客業」へのビジネスモデル変革といった事業戦略の推進が、着実に収益力の向上につながっていることをふまえ、2026年度に株主還元方針を一部見直しました。具体的には、配当にかかる指標として、新たに株主資本配当率(DOE)を採用することで、将来積みあがる自己資本を原資とした継続的な増配を目指す姿勢を明確にしました。また、DOEの水準においても段階的に引き上げていき、2028年3月期より5%以上の水準とします。
2025年度は、1株当たり年間配当金を16円増額した70円とし、DOEを4.0%に引き上げました。また、自己株式を330億円取得しました。この結果、2025年度の株主還元総額は576億円となり、総還元性向は75.8%となりました。

※ 株主資本配当率(DOE)= 年間配当総額 / 連結自己資本(期首・期末の平均値)

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配当および自己株式取得の金額と総還元性向の推移を表すグラフ。配当金額、自己株式取得が積み上げ棒グラフ、総還元性向が折れ線グラフで表示されている。配当金額は、2021年度 38億円、2022年度 53億円、2023年度 128億円、2024年度 198億円、2025年度 246億円、自己株式取得は、2021年度・2022年度は0(表示無し)、2023年度 150億円、2024年度 250億円、2025年度 330億円、総還元性向は、2021年度 30.9%、2022年度 16.5%、2023年度 50.1%、2024年度 85.0%、2025年度 75.8%。グラフの下に、1株当たり配当金とDOEが表示されている。1株当たり配当金は、2021年度 10円、2022年度 14円、2023年度 34円、2024年度 54円、2025年度 70円。DOEは、2021年度 0.8%、2022年度 1.0%、2023年度 2.3%、2024年度 3.3%、2025年度 4.0%。

3)負債 ~有利子負債コントロール~

NET有利子負債は、収益力の向上にともない、投資と株主還元に資金を配分しながらも段階的に縮減が進んでいます。2025年度においては、現預金が有利子負債を上回り、財務健全性が十分な水準まで改善しました。

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NET有利子負債とNET有利子負債/EBITDA倍率の推移を表すグラフ。NET有利子負債が棒グラフ、NET有利子負債/EBITDA倍率が折れ線グラフで表示されている。NET有利子負債は、2021年度 939億円、2022年度 591億円、2023年度 525億円、2024年度 475億円、2025年度 -61億円、NET有利子負債/EBITDA倍率は、2021年度 3.0倍、2022年度 1.1倍、2023年度 0.7倍、2024年度 0.5倍、2025年度 0.1倍。

2. 中期経営計画における財務KPIと進捗

2025年度よりスタートする当中期経営計画は、将来の“まち”化へ向けた着工・竣工スケジュールをふまえ、2030年度までの6カ年で策定しています。戦略面では、従来の“館”業から“個客”業へのビジネスモデル変革を企図し、さらなる事業成長を計画しています。具体的には、2027年度で850億円、2030年度で1,000~1,100億円の営業利益を計画しています。次に、資本効率においては、現状、当社が株主資本コストを8~9%程度と認識していることを前提に、2027年度で9.8%、2030年度で10~11%のROEを目指します。また、ROICについても意識することで、事業ごとに収益力や投資効率を規律していきます。
当中期経営計画の初年度となる2025年度は、外部環境与件にともなう海外顧客売上高の減少がありながらも、国内顧客売上高の伸長やコストコントロールによって、営業利益は過去最高を更新する800億円となりました。ROEにおいても、中期で目指す10%水準を上回る12.5%(特殊与件を除いたとしても10.8%)となり、順調な滑り出しとなりました。
2026年度においては、識別顧客を基盤とした顧客売上高のさらなる伸長と、足元では回復傾向にある海外顧客売上高の増収を見込み、815億円の営業利益(過去最高)を計画しています。ROEにおいても、10%超の水準を維持する計画です。

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  25年度実績 24年度差 26年度計画値 25年度差
総扱売上高※百貨店内定借テナントの扱い高を含む 13,480億円 17億円 13,950億円 +470億円
総額売上高 12,995億円 ▲41億円 13,500億円 +504億円
販売管理費 2,567億円 ▲46億円 2,630億円 +62億円
営業利益 800億円 +37億円 815億円 +14億円
当期純利益 760億円 +232億円 615億円 ▲145億円
ROE 12.5%※1 +3.6% 10.1% ▲2.4%

※1特殊与件を除いた実績:10.8%

3. 中期経営計画におけるキャッシュアロケーション計画

まず、前半3カ年(フェーズⅠ)における営業CFは、利益計画に基づく2,600億円水準のキャッシュ・インを見込んでいます。一方で、キャッシュ・アウトにおいては、“まち化”に向けた大型投資の影響が小さいフェーズⅠは、株主還元に比重を置いた計画とします。具体的には、株主還元として合計1,500億円水準を計画しており、フェーズⅠ計の総還元性向を70%以上とする計画です。前中期経営計画と同様に、配当と自己株式取得を組み合わせたトータルな還元を実施していく方針に変更はありませんが、配当については、累進配当および指標として株主資本配当率(DOE)を導入し、より安定的かつ持続的な増配を目指していきます。
また、期中に発生した関係会社株式の売却等にともなうキャッシュ・インについては、成長投資へ優先的にアロケーションしていく計画であり、当面は基幹店を中心とした戦略リモデル投資を拡大する計画です。

次に、後半3カ年(フェーズⅡ)のキャッシュアロケーション計画については、投資機会を含め、将来の見通しにおける不透明要素が多いことから、現時点では、割合のみを考え方として提示していますが、株価水準や財務KPI、投資機会、資金調達余力等のバランスを総合的に勘案し、機動的なアロケーションを実施していきます。