トップメッセージ

IT・店舗・人の力を活用した新時代の百貨店をめざして

 

三越伊勢丹グループでは、グループの強みであるIT・店舗・人の力を活用した新時代の百貨店を目指し、成長戦略の推進と構造改革による収益力の拡大を図っております。

 

2019年度業績について

 

2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の売上高は、1兆1,191億円(前年同期比93.5%)となりました。主力の国内百貨店事業において、基幹店リモデルにより宝飾等の高額品は好調に推移しましたが、消費増税の影響に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による訪日外国人の急減や、感染症予防の対策として行った店舗の営業自粛や営業時間の短縮が大きく影響し、既存店ベースで前年実績を大幅に下回りました。一方、販売管理費につきましては、継続して取り組んでいるコスト構造改革により、前年に対して120億円余の削減を行いましたが、売上高の大幅な減少をカバーするに至らず、営業利益は156億円(前年同期比53.6%)という厳しい結果となりました。

 

2020年度業績予想について

 

未だ新型コロナウイルス感染症の収束時期は不明な状態が続いておりますが、当社は、徹底した感染予防対策による安心・安全に万全を期した営業体制を堅持してまいります。2020年度の業績予想については、引き続き新型コロナウイルスの影響が続くとして、営業損失を▲330億円と算出いたしました。なお、今回の業績予想にあたりましては、新型コロナウイルス感染症拡大の第3波による再度の緊急事態宣言等の大規模な社会的制限について想定・反映はしておりません。実際の感染症影響や消費動向等により、当予想は大きく変動する可能性があり、今後の業績動向を踏まえ開示すべき重要な事項が発生した場合には速やかに業績への影響を開示いたします。

 

■中期経営計画について

 

中期経営計画の方向性は変わりませんが、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした社会環境・消費環境変化の現状と今後を踏まえ、戦略の修正とスピードの向上を図るとともに、長期計画をバックキャストさせたあらたな中期計画の策定を進めることにしました。長期計画及び新たな中期計画については本年度中に策定し、2021年5月に発表を予定しております。

 

■コーポレートガバナンスについて

 

三越と伊勢丹の経営統合以来、選択してまいりました「監査役会設置会社」から、「指名委員会等設置会社」へ移行いたします。これまでも「監査役会設置会社」として、社外取締役が委員長を務める「指名報酬委員会」を実効性高く開催するなど、ガバナンスの向上に努めてまいりましたが、今般、執行と監督の役割を明確に分離し、取締役会の監督機能を強化するとともに、迅速な業務執行を可能とするため「指名委員会等設置会社」へ移行することにいたしました。今後も株主さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまから信頼される企業グループを目指してまいります。

 

株主還元について

 

三越伊勢丹グループでは、企業価値の長期的な向上を図りつつ、株主の皆さまへの利益還元を行っております。配当につきましては、経営環境、業績、財務の健全性を総合的に勘案しながら、安定的な配当水準を維持することを基本姿勢とし、中長期的には利益成長にあわせた安定的な増配を目指しております。この方針に基づき、2019年度の配当金は、中間配当6円に期末配当6円を加えた12円といたします。2020年度については、新型コロナウイルス感染症の拡大により、第1四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益が大幅な損失計上となり、第2四半期に入ってからも同感染症による業績への影響が継続しており、通期にわたって厳しい業績で推移することが見込まれます。このような状況を踏まえ、中間配当予想につきましては財務健全性を維持する観点から前期実績から3円減配の1株当たり3円といたしました。一方、期末配当予想につきましては安定的な配当水準を可能な限り維持する観点から1株当たり6円とし、年間配当予想につきましては1株当たり9円といたします。

 

株主さま、投資家の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年11月

取締役 代表執行役社長 CEO 
杉江 俊彦