“think good”の取り組み事例

SUSTAINABILITY

みんなで紡ぐ、端材からのものづくり

2025.11.24

百貨店業での取り組み

#多様な価値観の尊重 / #環境への取り組み

ものづくりの現場で生まれる端切れや端材は、一見「余りもの」に見えます。しかし、これらは資源循環と創造性の観点から有用な素材であり、新たな価値を生む可能性を秘めています。

 

<IDÉE>が進めるプロジェクト「POOL」は、生産地や倉庫で行き場を無くした残反、残糸、端切れなどをためて、クリエーターやアーティストと連携して独自のプロダクトを生み出す取り組みです。<minä perhonen>の皆川明氏が監修し、10年にわたり継続的に実績を積み重ねてきました。

伊勢丹新宿本店はこの理念に共感し、2025年10月のthink goodキャンペーン期間中に、本館5階リビングフロアでPOP UPを開催しました。

プロダクトの背景とお客さまをつなぐ場

端切れや端材を廃棄せず、職人技とデザインで再編集することで、生産工程で発生する端材の有効活用を促進します。同時に、素材の一点性を際立たせることで、お客さまに選ぶ楽しさを提供することができます。
「POOL」のプロダクトは、残反、残糸、端切れを組み合わせて日本のものづくりの技術で仕立てる<H& by POOL>のデイリーウェアや、ランドセル製造をする過程で生まれた余剰素材を用い、皆川氏デザインのモチーフをかたどった「Biscuit Charm」があります。いずれも余剰素材を新たな価値に転換したことで、多くのお客さまから理解と支持を得てきました。

 

お客さまが「なぜこの商品が生まれたのか」を理解できる場を作ることは、持続可能な消費行動の促進につながります。そこで伊勢丹新宿本店は、発信力と好感度上質な顧客接点を活かし、「POOL」の10周年をご紹介する場を設けました。

展示とトークイベントを通じて理解と共感を深める

本イベントでは、<H& by POOL>のコレクションや「Biscuit Charm」に加え、鹿児島の「社会福祉法人 太陽会 ライフサポートセンター しょうぶ学園」と協業したアイテムを多数ご紹介しました。

「社会福祉法人 太陽会 ライフサポートセンター しょうぶ学園」は1973年創立以来、知的障がいのある人たちの「創り出す力」に無限の可能性を見出し、木工・陶芸・織などのクラフトや、絵画・刺繍・造形・音楽といった表現活動を通じて、障がいのある方々の創作活動を支えてきた施設です。その制作力は国内外で評価されており、今回の協業もそうした創作力の延長線上にあります。

 

会場には、「社会福祉法人 太陽会 ライフサポートセンター しょうぶ学園」のアーティストが描いた図柄を用いた靴下やハンカチ、刺繍を施したブラウスのほか、デニムや家具、植木鉢に直接ペイントした一点物などが並びました。

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即興性と個性が色濃く表現された作品は、カラフルな配色とリズミカルなデザインが特徴で、多くの来場者の関心を集め、複数購入や再来店につながりました。

 

会期中は作品紹介に加え、「POOL」監修の皆川明氏と「社会福祉法人 太陽会 ライフサポートセンター しょうぶ学園」統括施設長・福森伸氏によるトークイベントも実施しました。お二人の出会いからそれぞれの活動、今回の取り組みの制作背景、今後の展望までをお話しいただいたことで、来場者の理解が一層深まり、共感されたお客さまがその場で購入される場面もありました。終了後には今回のイベントを主宰した<IDÉE>スタッフの皆さまから「取り組みの背景や想いをお客さまへ直接お話しできる機会は多くないため、私たちにとっても非常に貴重な経験でした。」との言葉をいただき、本企画が作り手とお客さまをつなぐ場となったことを実感しました。

共創で広げる社会課題への取り組み

本企画は、三越伊勢丹グループの重点取り組み(マテリアリティ)に結びついています。まず、端材などを蓄え再編集して商品化する流れは、資源の有効活用という観点から重点取り組み②「持続可能な環境・社会をつなぐ」の「循環型社会の構築」に資する取り組みです。また、「社会福祉法人 太陽会 ライフサポートセンター しょうぶ学園」の作品を紹介することは重点取り組み①「人・地域をつなぐ」の一環である「多様な価値観の尊重」として、障がいのある作家の表現機会の拡大に寄与します。

 

伊勢丹新宿本店は「場」の提供と発信力を通じて、商品に込められた背景や「POOL」の理念を多くのお客さまに届ける役割を果たしました。今後もこうした共創の場を継続・拡張し、社会課題の解決と持続可能な価値創造に一層貢献していきます。


お問い合わせ先:伊勢丹新宿本店

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