“think good”の取り組み事例

SUSTAINABILITY

静岡の中心市街地“おまち”を元気にする地域共創イベント

2025.08.29

百貨店業での取り組み

#地域社会との共創

かつて多くの人で賑わっていた各地の中心市街地も、近年は少子高齢化や郊外型店舗の進出、ネットショッピングの普及など、時代の変化とともに市街地や商店街の空洞化が課題となっています。

 

静岡伊勢丹がある静岡市も例外ではなく、かつて市民の生活や経済活動の中心であった市街地は、現在、来街者の減少や賑わいの低下といった課題に直面しています。そこで静岡伊勢丹では、地元自治体や商店街、産業界、スポーツチームと連携し、まちの活性化を目指して取り組んでいます。

静岡伊勢丹が地域とともに歩む理由

かつて静岡市の中心市街地は“おまち”と呼ばれており、オシャレをして“おまち”に出かけるのが楽しみという人が多かったそうです。しかし、近年では特に若い世代の人口や来街者減少の課題を抱えています。

 

静岡市や商店街では、“おまち”の賑わいの復活や、魅力的なまちづくりに向けて継続的な取り組みを活発に行っています。静岡伊勢丹もまちの活性化に協力し、広いプロモーションスペースや催事場、住宅街に近い立地を活かして、地元住民や家族が集う「まちのイベント会場」としての役割を果たしています。

「静岡ホビーショー」と静岡伊勢丹がつなぐ、プラモデルの魅力

プラモデルは静岡市が世界に誇る地場産業であり、日本全国のプラモデル製造品出荷額の8割以上を占めています。毎年市内では、日本最大級の模型展示会「静岡ホビーショー」が開催され、全国から多くのファンが訪れます。静岡市では、プラモデルの認知度向上やファン層の拡大を目指す「静岡市プラモデル化計画」に取り組んでおり、そのシンボルとして市内にある各企業の前には、組み立て前のプラモデルの部品群をかたどった構造物「プラモニュメント」を設置しています。


静岡伊勢丹をはじめ、市内の企業や商店街、行政、個人などで構成される「ILOVEしずおか」協議会でも、この地域資源を活かして“おまち”の活性化を目指し、2022年より「静岡ホビーショー」と同時期に「プラモニュメントを巡る おまちデジタルスタンプラリー」を実施しています。2024年よりゴール地点が静岡伊勢丹に設定され、地元プラモデルメーカーの協賛による景品抽選会や、プラモデルの魅力を発信するアイドルグループによるお出迎えイベントも開催しました。

来場者が楽しめる工夫を凝らしたことで、「静岡ホビーショー」の会場から静岡伊勢丹までは車で30分程かかる距離にもかかわらず、「プラモニュメント」を巡り、商店街を通って静岡伊勢丹にお越しいただいた方は、2日間で約1,000名にのぼりました。

プラモデルファンはもちろん、普段、静岡伊勢丹にご来店いただいたことがない方も多く、「スタンプラリーをきっかけに初めて静岡伊勢丹に来店し、家族で楽しい時間を過ごせました」「子供が景品のプラモデルを手にしたとき、とても嬉しそうだったので参加して良かったです」などのお声が寄せられました。

担当者の声

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(株)静岡伊勢丹 営業統括部リモデル担当 坂本遼
※所属は2025年8月時点のものです。

「今回の取り組みは、静岡伊勢丹の認知度向上や新規来店者の拡大、地域イベントの拠点として多くの方に親しまれるきっかけとなりました。デジタルスタンプラリーのゴール地点として、静岡伊勢丹が立地・会場ともに重要な役割を果たし、静岡市全体の活性化に寄与できたと感じています。市内の企業や商店街の皆さまと、まちの活性化の取り組みを通じて、静岡伊勢丹が地域の拠点であることを広く知っていただけたことも大きな成果です」

「おまちde卓球」百貨店が地域スポーツの交流の場に

ここ数年、部活動廃止などにより子どもたちが体を動かす機会が減り、市民の健康増進も課題となっています。加えて、マンションの増加でファミリー層も急増。静岡伊勢丹では、こうした地域の変化に応え、県内のスポーツチームと連携し、スポーツ交流拠点化を目指した取り組みを進めています。

 

その一環として誕生したのが、地域のスポーツ振興や世代を超えた交流の場となるイベント「おまちde卓球」です。2023年にプロ卓球リーグ「Tリーグ」に地元静岡チーム<静岡ジェード>が創設されたことをきっかけに、「地元チームを盛り上げ、まちの賑わい創出に貢献できないか」と運営会社と話し合いを重ね、イベントの開催が決定。これまで2024年8月、2025年1月、5月に実施しています。

2025年5月30日(金)から6月1日(日)までの3日間、静岡伊勢丹 8階 大催事場は卓球会場に変わりました。約半年間の準備期間を経て、自由に卓球を楽しめるフリースペースや、小学生の部・年齢制限なしの大会を開催。また、卓球が初めての方やご家族にも楽しんでいただけるよう、「ピンポン玉お箸つかみゲーム」「ピンポン玉入れゲーム」といった体験型イベントも用意。<静岡ジェード>のプロ選手も来場し、参加者と一緒にプレイしたり、レッスンを行うなど、プロ選手と直接交流できる貴重な機会となりました。

 

イベント運営では、静岡伊勢丹が会場設営や広報物の準備を担当し、<静岡ジェード>が大会運営や選手の手配などを担いました。年齢制限なしの大会を開催したことで、小学生からご年配まで幅広い世代の方々にご来場いただき、3日間で合計291名が参加。うちフリーで卓球を楽しんだ方は112名にのぼりました。卓球ファンはもちろん、お買い物のついでに家族で立ち寄る方など多様な参加者が集まり、主催者としても百貨店が新たな地域コミュニティの場になる手応えを感じることができました。

イベントは地元新聞やテレビでも紹介され、<静岡ジェード>の担当者からは「百貨店で開催すること自体が話題となり、認知度向上につながった。今後も継続して実施したい」という声が寄せられました。

 

担当者の声
(株)静岡伊勢丹 営業統括部リモデル担当 坂本遼
「おまちde卓球を通じ、百貨店がスポーツや地域交流の拠点となり、幅広い世代の方々が新しい楽しみを見つけてくださったことが嬉しいです。卓球が大好きなご年配の方と小学生が一緒にラリーを楽しむ姿を見て、共通の趣味を持ちながらも、普段交流がない人々をつなぐきっかけになったと思います。今後も地域の皆さまと連携し、まちの活性化に貢献していきたいと考えています」

 

 

自治体・商店街・社内連携が生んだ新しい価値

このほかにも静岡伊勢丹では、「おまちdeハロウィン」「呉服町こどもゼミナール」といった、商店街連携イベントも積極的に実施しています。こうしたイベントの成功には、自治体や商店街、地域団体との協力が欠かせません。百貨店ルールとの調整、行政手続きなど多くの課題がありましたが、「地域のために役立つ」という意識を優先し、実現に至りました。また、場所の有料貸出という新たなビジネスモデルが確立し、地域団体からの協力依頼が増え、静岡伊勢丹の“まちの拠点”としての存在感が高まっています。

 

2025年10月には、地元業者による屋上整備や地域の大学生によるデザイン協力のもと、静岡伊勢丹の屋上に「roof(ルーフ)静岡伊勢丹バスケットパーク」が誕生します。地元プロバスケットボールチームによるレッスンや大会の開催に加え、子どもたちが自由にバスケットボールを楽しんだり、遊べるスペースとしても幅広く活用される予定です。自治体・商店街・社内の連携により生まれた新しい価値として、当社は地域と協働した場づくりを推進していきます。

静岡伊勢丹は、地元の力を結集し、新しいコミュニティと賑わいを創出する「まちの拠点」として地域を元気にする存在へと進化を続けます。百貨店の機能を地域課題の解決に結びつけることで、地域の持続可能な発展に寄与するとともに、社会的価値・企業価値の向上を図ってまいります。

 

 

お問い合わせ先:静岡伊勢丹

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