対談・インタビュー
SUSTAINABILITY
2026.06.03
環境への取り組み
#循環型社会の構築
三越日本橋本店では、2026年1月に一部オフィスの廃棄物置き場を「リサイクルステーション」として再構築しました。従来の廃棄物置き場を、資源の再分別・回収を行う拠点へ転換することで、作業効率の向上と従業員の意識改革を促進するとともに、正しい廃棄物分別によるコスト最適化を図っています。将来的には全館展開およびグループ各社への展開を目指しています。
今回は、本取り組みの背景や課題、現場での工夫、そして今後の展望について、担当者の声を通して紹介します。
― 取り組みを始めた背景を教えてください。
2025年度は社内でサステナビリティ推進の中心的役割を担う「サステナビリティアンバサダー」として、社内外の講義や視察を通じて知見を深めました。社会全体で廃棄物削減や資源循環の重要性が高まる中、店舗運営の総務担当として、現場から実行可能な改善を進める必要があると考えました。特にバックヤードは普段目に触れない場所ですが、改善すればリサイクル率向上に直結すると判断し、現場主導での見直しを開始しました。
― 直面していた課題は何でしたか。
分別が大まかで、リサイクル可能な資源に汚れや異物が混入し、リサイクルに回せないケースがありました。加えて、従業員が「何が・どこで・どのようにリサイクルされるのか」を十分に把握しておらず、適切な行動につながりにくい点も課題でした。
― どのように設計・実装しましたか。
他社視察やマニフェスト(産業廃棄物管理票)の確認および廃棄物収集を委託している関連会社からのヒアリングを通じて運用課題を洗い出し、正しい分別と運用ルールを策定しました。分別レイアウトや回収ボックスの配置を見直し、2026年1月に「リサイクルステーション」として刷新しました。加えて、危険物の適切な分別や個人情報の管理を徹底し、安全性の向上とリスク低減にも配慮しています。予算が限られる中で、社内資材を再活用し、現場主導で改修を行った点が特徴です。
― 可視化やネーミング面での工夫はありましたか。
従業員向けに「何がどんなものにリサイクルされるか」を一覧化して掲示し、分別の意義を分かりやすくしました。ネーミングは現場での浸透性を重視し、機能の分かりやすさと参加意欲の向上を軸に、各営業部のサステナビリティ推進者による投票で決定。掲示物と組み合わせて周知しています。
― 現場の反応や具体的な効果はいかがですか。
「分別が分かりやすくなった」「搬出作業がスムーズになった」といった声が多く寄せられています。再資源化の用途が可視化されたことで、従業員の参加意識の向上にもつながっています。定量的なリサイクル率の変化については、現在データを収集・分析している段階です。
― 改善で特に効果があった点は何ですか。
分別ルールと収集動線の見直しにより異物混入が減り、回収品質が向上しました。表示を具体例付きで改善したことで迷いが減り、再資源化先を明示した資料によって、従業員の行動変容を促進できた点が大きな成果です。
― 今後の展望は何ですか。
標準仕様やKPI(リサイクル率、混入率など)を整備し、実績を踏まえた予算化とともに、三越日本橋本店全館への展開を進めていきます。さらに店舗単位で確立したモデルをもとに、グループ全体への展開を図り、資源循環の適正化と持続可能な事業運営の両立に貢献していきます。
まとめ
現場主導による改善の積み重ねにより、資源循環の実効性を高めることが可能となります。本取り組みをモデルケースとして標準化を進めることで、店舗からグループ全体、さらには社会全体の資源循環の配慮と企業価値向上につなげていきます。