SUSTAINABILITY
社外取締役からの期待
社外取締役
松田 千恵子
東京都立大学経済経営学部教授
三越伊勢丹グループは、その長い歴史の中で常に「人」を中心に据え、時代の変化に寄り添いながら新しい文化を創造してきました。現在、私たちが向き合っているサステナビリティ経営への挑戦は、この創業以来の精神を、現代的かつグローバルな視点へと昇華させるプロセスであると評価しています。「長きにわたる伝統があるからこそ、最も革新的な挑戦ができる」、これが当グループの強みであると感じます。
当社グループは、環境負荷の低減やサプライチェーンの透明化といった喫緊の課題に対し、非常に前向きに取り組んでいます。再生可能エネルギーの導入や食品ロス削減といった「循環型社会への貢献」に加え、百貨店ならではの「ものを長く大切に使う」という豊かな価値観を社会に広げられる点は、特筆すべき強みです。
また、各地の店舗がその土地の歴史や文化、食、工芸などを深く理解し、地域の方々と共に新しいストーリーを紡いでいる姿は、まさに地域共生の理想的な形だと感じています。
コーポレートガバナンスにおいても、指名委員会等設置会社としての先進性を活かし、取締役会では将来の成長に向けた極めてオープンで建設的な議論が交わされています。今後も、グループ全体のさらなる進化に向けて、経営レベルでの、より実効性の高い対話が重ねられ、持続的な成長の実現へとつながることを期待しています。
三越伊勢丹グループの最大の資産は、言うまでもなく「人財」です。ミッションである「心動かす、ひとの力で」という言葉はそのことを体現しています。
現在進めている「個客業」への転換は、「館業」の比類なき強みを基礎として、それを支える人々が、一人一人のお客さまに寄り添い、新たな価値をもたらすものと理解しています。この実現には、働くすべての人々が自らのキャリアを主体的に描き(キャリアオーナーシップ)、仕事を通じて自己実現ができる環境が不可欠です。多様な個性が尊重され、心身ともに健やかに働ける「魅力的な場」を創り、磨き続けることこそが経営における極めて重要な役割であると考えています。
社外取締役としては、こうした取り組みをしっかり見守りながら、これからも客観的な視点を保ちつつ、三越伊勢丹グループが社会にとって「なくてはならない存在」であり続け、ステークホルダーの皆さまと共に持続可能な未来を彩っていけるよう、全力を尽くしてまいります。
社外取締役
松田 千恵子
2026年4月1日