株主通信 第12期 中間期

3ヶ年計画

三越伊勢丹グループの3ヶ年計画

我々の行動の原点である「私たちの考え方」を実践し、「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」の実現をめざしています。3ヶ年計画では、IT・店舗・人の力を活用した「新時代の百貨店」(プラットフォーマー)を具体的な目標として掲げています。お客さまの利便性向上、新たな価値提供のために、お客さまがオンラインでもリアル店舗においても、いつでも相互に行き来し、同様なサービス・体験が受けられるようオンラインとオフラインの「シームレス化」を推進してまいります。

3ヶ年計画

詳しくは統合レポート内の「中期経営計画」ページをご覧ください。

統合レポート

セグメント別事業戦略

1.小売(百貨店)事業戦略

(1)店舗モデルの改革

お客さまのニーズを的確に把握することにより、品揃えやカテゴリーバランスを適正化し、リアル店舗ならではの「価値」「体験」をご提供することで、お客さまから高い支持を得られるような賑わいのある商業施設をめざしてまいります。

基幹店のリモデル

当社の強みである基幹店のさらなる独自性の磨き上げに向けて、戦略的な投資をし、新しい店舗モデルを確立させて企業価値の最大化を図ってまいります。

  • 伊勢丹新宿本店
  • 三越日本橋本店
  • 店舗をお選びいただけます

伊勢丹新宿本店

伊勢丹新宿本店

「毎日が、あたらしい。ファッションの伊勢丹」を進化させ、新しい価値の創出と差別化を行い、心の豊かさを創造できるようリモデルを行っています。
第一期リモデルでは、2019年3月に伊勢丹新宿本店メンズ館をグランドオープン、第二期リモデルでは、本館のアートギャラリー、リビング、ウォッチ、婦人靴、ジュエリー、化粧品、婦人服の段階的なリフレッシュオープンを行い、2019年度中のグランドオープンを予定しています。

●化粧品 <本館 1・2階>

化粧品 <本館 1・2階>

“「BEAUTY EVOLUTION!」美は進化する。美は躍動する。”をスローガンに、「圧倒的な高揚感の中で、お客さま一人ひとりの美の追求を実現する、世界随一のイセタンビューティフロアの構築」をめざしています。リアルな場の体験価値向上のために、2019年9月に新しく本館2階に、これまでよりも広々としたスペースで、お客さまの買い方に合わせたご提案ができるスキンケアを中心としたフロアがオープン、11月には本館1階に、最新・最旬の商品や情報を、専門性の高いアドバイスとあわせて体験できるメイクアップ・フレグランスフロアが完成し、本館地下2階のビューティアポセカリーも合わせて、化粧品3フロアがリフレッシュオープンをしました。

●婦人靴 <本館 2階>

婦人靴 <本館 2階>

2019年8月、本館2階婦人靴が7年ぶりにリフレッシュオープン。おもてなしとデジタルを融合した、「“新しい婦人靴の購買体験”で自分だけの一足」をテーマに、ここでしか体験できないサービスとモノに出会える場に生まれ変わりました。ラグジュアリー、カジュアル、ドレスシューズ、パンプスなど様々なゾーンで、新たな買い方ができる環境や、自分だけのカスタマイズデザイン、デジタルを活用した自分の足に合う靴が見つかるサービスなど、商品・コト・サービスを充実させ、最高の顧客体験の実現をめざしています。

●ジュエリー <本館 4階>

ジュエリー <本館 4階>

環境デザインとして「GLASS FOUNTAIN 水と光が輝く噴水広場」をテーマに、光の列柱、白と黄金の大理石などを使用し、ラグジュアリーな環境となり、2019年8月にリフレッシュオープンしました。「買えるを変える」をテーマに、品揃えもサービスの幅も拡大。品揃えでは逸品の「至宝級」から人気の「アイコン商品」まで拡大し、サービスでは、デジタルを活用したアテンダントサービスをはじめ、お客さまのご要望に応じて百貨店を飛び出して国内外からお探しさせていただく「トレジャーハントサービス」などを導入。すべてのお客さまに対してジュエリーを楽しんでいただけるショップとして、今までにない新たな購買体験をお届けします。

●ウォッチ <本館 5階>

ウォッチ <本館 5階>

2019年6月、ウォッチショップがラグジュアリーな空間にリフレッシュオープンしました。新しいウォッチショップは、すべてのお客さまに時計を楽しんでいただけるよう、「買えるを変える」をテーマに、高級で入りにくいイメージを払拭し、明るく華やかな雰囲気の中で、気軽に時計に触れることができる環境と、ブランドの世界観の表現の両立をめざしたショップとして生まれ変わりました。世界の名だたるハイエンドブランドからお求めいただきやすいブランドまで、厳選された約70ブランドの時計をご覧いただけます。

三越日本橋本店

三越日本橋本店

「サービスとおもてなしのスペシャリティストア」をめざして、2018年10月に再開発(第一期)グランドオープンし、新しい時代の百貨店へと進化しております。第一期では、本館1階(化粧品、雑貨、特選)、本館5階(ラウンジ他)等のリモデルを行い、同時に顧客向けラウンジやおもてなし拠点となるウェルカムゲートを新設し、よりパーソナルな接客体制を整えました。2020年春の完成をめざす第二期では、時計、宝飾、美術、特選、紳士、婦人カテゴリーのリモデルを行っています。

●パーソナルオーダーサロン(紳士服) <本館 2階>

パーソナルオーダーサロン(紳士服) <本館 2階>

2019年8月、本館2階に「Genuine Luxurious Gentleman~本物を知る贅沢な男たち~」をテーマにパーソナルオーダーサロンがリフレッシュオープンしました。国内外の老舗一流テーラーから、知る人ぞ知るアルチザン達の逸品を数多く展開しております。メイドトゥメジャーとオーダーシャツのコーナーには、ウェイティングバーを設置しております。生地選びから採寸までゆったりとした雰囲気の中でお過ごしいただけます。

●ウォッチギャラリー <本館 6階>

ウォッチギャラリー <本館 6階>

リフレッシュオープンのコンセプトは、「THE GALLERY」。新しい「ウォッチギャラリー」は面積を約2.5倍に拡大し、ゆったりとしたラグジュアリーな空間に、国内外の名門ブランドのウォッチコレクションをはじめ、約60ブランドの時計を幅広く取り揃えております。希少価値の高い逸品や限定品の品揃えを強化。特に、時計愛好家の注目を集める独立系ブランドや時計メーカーに属さない独立時計師によるマスター・ピースなどを常設展開するスペース「Cal.BAR(キャリバー)」を新設しました。

●屋上 日本橋庭園 <本館屋上>

屋上 日本橋庭園 <本館屋上>

2019年5月、三越日本橋本店本館屋上に「日本橋庭園」が誕生しました。「つながりのもり」をコンセプトに、都心の百貨店の屋上とは思えない開放感あふれる空間に、四季折々の自然をそのまま感じられる庭園を設えました。本館の高さが皇居の標高と同じ百尺(約31m)であることから、皇居の豊かな森を参考にした植栽を配置し、人間だけでなく生きものにとっても居心地のよい、生物多様性保全につながる環境づくりをめざしています。
2019年10月に公益財団法人都市緑化機構のSEGES「都市のオアシス」に認定されました。三越伊勢丹として3店舗目(伊勢丹新宿本店アイ・ガーデン、三越銀座店銀座テラスは認定済)の認定となります。

(2)オンラインとオフラインのシームレス化

お客さまがオンラインとオフライン(店舗)を自由に行き来できることにより、「最新で最高の顧客体験」をご提供いたします。

オンライン(EC)とオフライン(店舗)のシームレス化

詳しくは統合レポート内の 「中期経営計画」ページをご覧ください。

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ISETAN STUDIO

伊勢丹新宿本店をオフラインの起点としてすべての商品情報をデジタル登録することで、店頭でもオンライン上でも商品を購入することができる体制をめざしてまいります。そのために、お取組先との在庫連携を拡大するほか、伊勢丹新宿本店近くにデジタルスタジオを設け、商品のデジタル登録を進めていきます。それにより、近隣に店舗のない地域のお客さまにもオンライン上で基幹店と同様の品揃えを提供することができます。

また、オンラインとオフラインの接客の中で得られた定性情報をデジタル化して蓄積し、お客さま一人ひとりに合わせた最適な提案を実現することで、接客の質の向上に取り組みます。店頭ではお客さまがご来店される際に、これまで蓄積された定性情報をもとに、どのお買場でもどの担当者でも、豊富な商品情報・サービスとマッチングしてお客さま一人ひとりに合わせた最適な接客・提案をしていきます。

①シームレスサイト・アプリの構築

現状では、機能・目的別に複数存在するアプリや、作りが複雑なWEBサイトを統合し、「ショッピング」「店舗情報」「マイページ」にわかりやすく分類し、お客さまにとって、使いやすいWEBサイト・アプリを構築いたします。これにより、商品検索や予約サービスなどの便利さはもちろん、店頭にいるかのような体験をしていただけます。

シームレスサイト・アプリの構築
②新しいシームレスなサービスを提供

「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」の確立に向けて、2018年度より私たちの強みとデジタル技術を活用した新たなご提案を進めております。リアル店舗だけでは提供できないマーチャンダイジングの幅の拡大や、購買手段の多様化を進めるべく、すでにサービスを開始しております化粧品オンラインサイト(meeco)、カジュアルギフトオンラインサイト(MOO:D MARK)が、さらなる利便性と購買体験向上のためのサービス機能を拡充いたしました。さらに、10月からは新たなサービスであるメンズカスタムオーダーオンラインサイト(Hi TAILOR)もスタートしております。

<カジュアルギフトオンラインサイト>
■ MOO:D MARK by ISETAN(ムード マーク バイ イセタン)

MOO:D MARK

ミレニアルズ※1のための新しいギフト体験を提案するオンラインギフトブティック「MOO:D MARK(ムードマーク)」がオープンしました。ただ商品を提供するだけではなく、ミレニアルズのリアルな日常を彩るアイテムを厳選し、編集してお届けするオンラインギフトブティックです。
住所を知らない相手にもギフトが贈れる「ソーシャルギフト機能※2」、3つの質問に答えるだけでオススメのギフトリストがチェックできたり、伊勢丹のバイヤーとスタイリストがギフトのご相談にお答えする「ギフトコンシェルジュ機能」などがあります。
なお、すべての商品詳細ページにお届け時の包装形態がわかる画像を掲載しています。

1 ミレニアルズ:2000年以降に成人を迎えた、インターネットが当たり前の時代に育った世代。

2 ソーシャルギフト機能:SNSやEメールなどを通じて、住所がわからない相手先にもギフトを贈ることができるサービス。

MOO:D MARK by ISETAN

<メンズカスタムオーダーオンラインサイト>
■ Hi TAILOR(ハイ・テーラー)

Hi TAILOR

「Hi TAILOR(ハイ・テーラー)」はオンライン上で完結する紳士服のカスタムオーダーサービスです。スマートフォンでのAIを活用した自動採寸と簡単なカスタマイズで、どなたでも気軽にご自身に合った一着を選ぶことができます。
商品のデザインは、世界中に愛好家がいるシャツブランドのディレクターであるファビオ・ボレッリ氏が監修。衿型や芯地・ボタン、仕立てにいたるまで細部に徹底的にこだわりました。縫製は、高い技術力を誇る国内有数の老舗オーダーシャツ専門工場の国内工場で実施。
オンラインで完結する無店舗型のサービスで、パフォーマンスよく品質のよい商品を提供します。

Hi TAILOR

<化粧品オンラインサイト>
■ meeco / meeco variety(ミーコ/ミーコ バラエティ)

meeco

三越伊勢丹の情報発信力と品揃えの強みを生かし、「日本随一の品揃え」「お客さまの欲しい商品が見つかる情報とコンテンツ」「ECに必要な利便性」を兼ね備えた化粧品オンラインサイトを新設しました。
普段店頭で購入されるものの買い足しのためにすぐに来店されるのが難しい方、関心があるものの近隣に店舗がない方、百貨店でこれまで化粧品を買われたことがない方など様々なニーズに合わせた、利便性の高いサイトを展開しています。
11月にはプチプラコスメ中心のmeeco varietyサイトをリリース。ラグジュアリーコスメとプチプラコスメが同時に購入できる、今までにない化粧品サイトとして生まれ変わりました。

meeco

2.不動産事業戦略

不動産事業戦略

三越伊勢丹グループは国内でも有数の不動産を所有しており、長期的視点に立って街の再開発と連動した「国内保有不動産(店舗)の再開発」を進めていくと同時に、点在する本社事務所の再編・不動産の組み替えを含めた保有不動産の効率化を進めています。また、「商業不動産事業の強化」を行い、事業を拡大していくとともにリーシングのノウハウを既存百貨店にも生かしていきます。

国内保有不動産の再開発
伊勢丹新宿本店および三越日本橋本店など、街の再開発が予定されている地域では、各店の独自性の磨き上げに加え、地域の再開発の動きと連動して周辺に保有する不動産を有効活用しながら、「まちづくり」に貢献していきます。自社保有不動産の活用を推進することで、不動産収益の拡大を図ります。

商業施設運営事業の強化

不動産事業の核として、商業施設運営事業の拡大を図っています。「FOOD & TIME ISETAN YOKOHAMA」「ミーツ国分寺」の事業等で得られたリーシングのノウハウを蓄積し、既存百貨店などにも活用していきます。


海外不動産複合開発の推進

フィリピン・マニラで分譲住宅および商業施設の不動産複合開発に、野村不動産株式会社、Federal Land,Inc.と協働で取り組んでいます。日系デベロッパーと日系小売企業参画によるフィリピンで初めての複合開発プロジェクトで、2021年に低層階での複合商業施設と、2027年に分譲タワー型コンドミニアム4棟が完成予定です。

KPI

さらなるコスト構造改革に加え、百貨店事業、不動産事業の戦略を進めることでKPI達成をめざします。

KPI