CSR・社会貢献

人財育成

三越伊勢丹グループでは、お客さまに最前線で接する販売員に「スタイリスト」という呼称を使い、その育成に力を入れています。「おもてなしの心と高い専門知識をもって、お客さまのご期待に感動レベルで応えることができる人財」の育成をめざして、様々な教育・研修を実施。また、年間1,000人以上のキャリア面談を軸としたキャリア形成支援制度や正社員への登用制度など、自らがキャリアを選択し、チャレンジする環境を整備しています。

“個”と向き合い、モチベーションを引き出す戦略的人財育成

お客さまへの提案の最前線で活躍する「スタイリスト」の育成

三越伊勢丹グループでは、事業運営において最も重要な「販売」に携わる従業員を大切にし、今まで以上に尊重していくために、2012年度から従来の「販売員」という呼び名を見直し、お客さまと接点をもつすべての従業員の呼称を「スタイリスト」とし、社内でこの呼称を使用しています。「スタイリスト」は、一般的にはアパレル業界などで活躍する方の職業を指す言葉ですが、三越伊勢丹グループでは、顧客接点を通じて、「お客さまの豊かさ、お客さまの魅力、お客さまの上質、お客さまの感性、お客さまの新しさ、さらにはお客さまの未来をスタイリングしていくこと」をめざしています。

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優秀なスタイリストに対する取り組み

優秀スタイリストを認定・表彰する「エバーグリーン制度」

百貨店事業の運営で大切な役割を果たすお取組先販売員を含めたすべてのスタイリストのなかから、日々の接客で高い成果を上げたスタイリストを表彰・認定する「エバーグリーン制度」。この制度は、三越伊勢丹でスタートし、2012年度からはグループ全社に拡大。約65,000人のスタイリストを対象に、5年間で累計280人が認定され、お取組先販売員も含めた全グループのスタイリストのモチベーションの向上につながっています。

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専門性の高いスタイリストを任命する「シニアスタイリスト制度」

シニアスタイリストのバッチシニアスタイリストのバッチ

2014年度より、「専門性の高い人財を処遇する」ことをキーワードに、複線型人事制度として「シニアスタイリスト制度」を導入しています。

これは、お客さまと接点を持ち販売するスタイリストを対象に、特定の専門性・スキルを持って常に高い成果を発揮し、お客さま満足はもちろんのこと、これまで培ってきた経験・スキルを周囲のメンバーに波及させ、チーム全体のレベル向上に貢献していくことができる人財を「シニアスタイリスト」として任命・処遇する人事制度で、3年間で累計25人が任命されています。次に続く世代にとっても新たな目標ができ、モチベーション向上につながっています。

スタイリスト一人ひとりのスキルアップに向けた取り組み

SSP/セールス・スキルアップ・プログラム(販売の質向上プログラム)の導入

三越伊勢丹では、従業員のキャリア形成のうえで、OJTによる販売スキルの向上が重要であると考え、スタイリスト一人ひとりの販売スキルを可視化しOJTに活用することで顧客満足向上を図るプログラム「SSP/セールス・スキルアップ・プログラム(販売の質向上プログラム)」を2014年度、首都圏三越伊勢丹全店に導入しました。これまで難しいとされていた「形に残らない販売サービス」の可視化を、優秀なスタイリストの行動を分析し、三越伊勢丹としての「あるべき行動」と「必要なスキル」を明確にし、更に4段階のレベルに定義することで実現しました。上司とスタイリストが同じ基準でかつ個々のレベルに応じて具体的な育成計画を立て、全社的な販売スキルアップを図っていくことができ、全社的な販売スキル向上につながっています。

三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズによるグループの人財育成プログラム

2009年に設立した三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズは、教育・研修、人材派遣・紹介などのサービスを、百貨店を中心とする三越伊勢丹グループの各社やグループ外の様々な企業に提供しています。

三越伊勢丹グループの教育・研修においては、おもてなしの心と高い専門知識をもって、お客さまのご期待に感動レベルで応えられる人財の育成に取り組んでいます。三越・伊勢丹それぞれの歴史のなかで培われてきた、お客さまをおもてなしするための「心」「知識」「技術」を継承しながらも、時代の変革や全社の方針に合わせた教育を提供していくために、毎年教育コンテンツのブラッシュアップを図り、現場との一体感ある教育をめざして、OFF-JTによる様々な教育・研修を行っています。また、900以上の研修・教育の一覧を掲載した冊子『MANABIの森』を配付し、従業員自身による能力開発を支援しています。

また2014年度から首都圏の三越伊勢丹に導入した、スタイリストの販売業務に求められる行動とスキルを明確にし、OJTと連動させたスキルアッププログラム「SSP/販売の質向上プログラム」を、今後、グループ各社に提供していきます。

  • 約180ページにわたる『MANABIの森』約180ページにわたる『MANABIの森』
  • 各種研修を行うセミナーハウス各種研修を行うセミナーハウス
  • 研修に参加する従業員研修に参加する従業員
人財育成プログラム

人財育成プログラム

三越伊勢丹グループの各社で実施している主な研修・教育
名称 内容
基礎教育 三越伊勢丹人として必要とされる基本的な販売サービス教育
⇒おもてなしの心をもって、お客さまのご期待に感動レベルで応えることのできる人財を育成
職務別研修 各職務を遂行するための役割理解と必要な知識・技術を習得する教育
⇒新しいことの創造、あるいは既存のやり方の変革に、世の中に広く目を向けながら、自らの判断でスピードをもってチャレンジし、企業の成長に貢献できる人財を育成
領域・資格別研修 各領域で求められる専門知識を学び、スペシャリストを養成する教育
⇒婦人、紳士、ベビー子供、服飾雑貨、呉服、リビング、食品など、各領域のスペシャリストとしての専門知識を持つ人財を育成
能力開発研修 個人が自律的にキャリア開発するための研修
自己啓発支援ツールの提供 個人が自律的にキャリア開発するためのツールを提供(通信教育講座・ビジネス雑誌定期購読の紹介など)
次世代人財の戦略的育成 三越伊勢丹グループの将来のリーダーを育成する教育(選抜型)
⇒経営者としての高い視点と実行力をもつ人財を育成
Voice 社員の声
佐藤 哲平さん
  • 三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ
  • 人財ソリューション事業部
  • 人財コンサルティンググループ
  • 人財育成担当長
  • 佐藤 哲平さん

三越伊勢丹では、グループビジョンを実現できる人財を育成するために様々な取り組みを実施しています。
そのなかで、経営戦略であり、企業メッセージとして発信している「this is japan.」をテーマにした研修を2015年度よりスタートしました。
日本の文化や精神性などを再発見し、その知見にさらに磨きをかけていくことを目的に、歌舞伎鑑賞、茶事や座禅の体験、日本の絹産地見学などを企画し、「能力開発研修」として、従業員が店舗や所属、役職に関係なく、自分の時間などを使って、主体的に受講できる形式で実施しています。
三越伊勢丹の人財育成では、経営戦略と連動し、あらたな三越伊勢丹グループをつくりあげる人財になるために、業務研修としてお買場で活用できる知識・スキルを習得する場から、「this is japan.」企画のように、主体的に学ぶ姿勢をもって文化や教養まで幅広く身につけることができる機会や場が用意されています。

Voice 社員の声
阿部 美奈子さん
  • 三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ
  • 人財ソリューション事業部
  • 人財コンサルティンググループ
  • 人財育成担当マネージャー
  • 阿部 美奈子さん

「this is japan.」の研修企画「産地で学ぶ『日本の絹』」では、かつて日本の重要な産業であった製糸業の現場を訪れました。日本には約2,000年の歴史がある絹文化、そして優れた絹製品を生み出す技術があります。しかし現在、絹を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっています。お客さまに自信をもっておすすめできる「日本の絹」を絶やさないために、三越伊勢丹がお客さまと日本の絹産地・生産者をつなぐ役割を担うことの意味を考え、産地の風を五感で感じ、ものづくりの原点を学ぶことが大切であると考えました。世界に誇る「日本の絹」を、期待をもって発信していきたいと思います。

  • 碓氷製糸碓氷製糸
  • 富岡製糸場富岡製糸場

意欲ある人財の自律的なキャリア形成制度

新しい商品・サービスなどの創造や既存のやり方に対しての変革は、その担い手である従業員の成長が不可欠であり、社員自らがキャリアを選択し、チャレンジできる環境の整備が必要です。そこで三越伊勢丹では、年間1,000名以上におよぶ「キャリア面談」をはじめ、「自己申告制度」「能力開発講座」など様々な機会と手段を提供し、一人ひとりのキャリア形成を支援しています。

特に、「世の中に広く視野を持ち、スピードをもって変革を進めることができる人財」を育成するため、「社内公募制度」「研修派遣制度」を拡大。米国フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内の米国三越日本館への公募派遣や、鉄道やブライダルなど異業種との人財交流、農林水産省や復興庁等への官民人事交流など、新たな価値を創造することができる人財の育成に向けて、チャレンジできる環境を整備しています。

Voice 社員の声
川西 恵理子さん
  • 復興庁
  • 政策調査官
  • 川西 恵理子さん

三越伊勢丹では、主に食品部門を担当し、販売業務や商品買付業務を行っていました。 入社して10年が経ち、大学時代の同級生が様々な世界で活躍している姿に感化され、もっと外の世界に視野を広げたいという思いを持ち始めました。
2016年4月に復興庁に出向して以来、百貨店マンの目を持つ三越伊勢丹という企業でのキャリアを認めていただき、食品部門での経験を生かした原発事故に伴う風評被害の払拭に携わっています。
復興庁の方々が、国民の皆さまの幸せを基軸に仕事をしているということにも共感を覚えています。復興庁は他企業からの出向者も多く、ここでの人脈を生かし、将来の仕事の広がりにつなげていきたいと思っております。

一人ひとりと向き合うキャリア面談

グループ人事ビジョン「従業員一人ひとりが持てる力を最大限に引き出し、伸ばしていける体制づくり」の実現に向け、CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)面談を行っています。グループ人財本部が、メイト社員(領域・勤務地限定社員)から部長職まで、キャリアの節目にあたる従業員年間1,000名以上と直接面談を実施し、中長期的なキャリアを考える機会を提供。現状の悩みやキャリアイメージ等をヒアリングし、アドバイスをすることを通じて、一人ひとりのキャリア意識の醸成をサポートしています。4年間で累計約4,500名の従業員と面談しました。
また2015年度より、対象を時給制契約社員(希望者)まで拡大。年間約90名と面談を行いました。

積極的な正社員登用の拡大

メイト社員(領域・勤務地限定社員)は、全従業員約12,000人のうち約2,600人を占め、百貨店で最も重要な店頭販売で大きな役割を担っています。2010年度より入社4年目以降を無期雇用とするなどの様々な制度を導入してきましたが、2016年4月からは入社初年度より無期雇用とし、スタイリストの働く環境のさらなる改善を図っています。

また、メイト社員から正社員への登用は、登用試験受験までの年数を入社5年目から4年目に短縮した結果、正社員登用者数は年々増加し、2015年度は約100人、累計で約500人が正社員となり、うち7人が管理職に昇格しています。

また、時給制契約社員(フェロー社員)からメイト社員への転換者数も年々増加しており、2015年度は約200人、累計で約900人が転換しています。

Voice 社員の声
坂井 良次さん
  • 商品統括部婦人子供統括部
  • 仕入構造改革商品部デニムセレクト
  • バイヤー
  • 坂井 良次 さん

2004年に伊勢丹サムタイマー社員(現フェロー社員:時給契約社員)として入社
お買場(売場)のバックヤードでの商品整理や商品登録業務、店頭での販売を担当
2005年にメイト社員に転換。お買場のブロックリーダーを経て、主に、お買場のスタイリストメンバーのマネジメントを行う
2010年に社員転換後、アシスタントバイヤーを経て、商品仕入のことも学ぶ
2015年に管理職昇格試験に合格、バイヤーとなる

伊勢丹サムタイマー社員で入社してから、同じお買場の社員メンバーが生き生きと働く姿を見て、同じ土俵で働きたいと感じ、社員になることを目標としてきました。当時は、メイト社員への転換やフルタイマー社員への登用制度が過渡期で、将来が見えない不安もありましたが、周りの社員の方の応援や、人事の方との交流を通して自分の想いをぶつける機会もいただき、実現につながったと思います。
バイヤーを目指したのは、先輩のバイヤーたちが立ち上げたプロモーションによって、たくさんのお客さまが来店される様子を見て、自分で一つの仕事を、責任を持ってやり遂げたいと思ったからです。
サムタイマー社員、メイト社員、正社員と段階を経て、多岐にわたる仕事を経験できたことを誇りに思いながら仕事をしています。また、三越との統合後、三越店舗の担当をしたこともあり、様々な人たちと話すなかで、その人たちがそれぞれの立場でモチベーション高く働ける環境づくりをしていきたいと思っています。
これからは、メイト社員からバイヤーを目指す後輩たちを、自分の経験を生かして応援していきたいです。

グループ人財育成の促進

三越伊勢丹グループでは、積極的に人財交流を促すことで、グループの一体感の醸成と次世代人財の育成を進めています。例えば、グループ百貨店の入社3年目以降の定期採用社員を、首都圏の商品統括部や店舗に配属し、1年間に及ぶ研修を実施しています。これは、販売の大切さ、厳しさを伝えると同時に、MDシステム・顧客システムを活用した販売状況分析や、買取品を最後まで売り切るための施策、データ分析とお客さまの声を生かした品揃えやベストセラー商品の確保など、商販全般にわたるマーチャンダイジングの知識やフローを学ぶ機会を提供するものです。帰任後は、研修で習得した知識やスキル、経験を生かし日々の業務に邁進しています。この研修を継続実施し、全員が参加することでグループ全体のレベルアップと将来の優秀なマネージャー・バイヤーの早期育成を目指しています。

Voice 社員の声
喜安 貴志さん
  • (株)松山三越
  • 営業統括部 リビング アシスタントマネージャー
  • 喜安 貴志さん

私は、リビング統括部和食器担当のアシスタントバイヤーとして研修に参加しました。
基幹店の担当として、お買場(売場)の商品をどのように仕入れ、どのようなタイミングで店頭に出し、どのようにお客さまにお買い上げいただくのかを体系的に学んだ1年間でした。
また、首都圏の大型店舗でしか経験出来ないことを多く体験でき、それらを積み重ねていくなかで、研修前とは違った見方を養うことができたと思います。さらに、大規模な文化催事や、三越銀座店のリビングフロアのリモデルなど大きな節目で、和食器担当としてそれらに携われた経験は非常に貴重でした。
松山三越は70周年という節目の年を迎えています。帰任後、首都圏で築いた人脈や経験を、松山三越の仲間たちと分かち合い、これから先、80周年、100周年と愛され続ける松山三越になるよう、日々邁進しています。

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