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CSRレポート第三者意見

三越伊勢丹グループCSRレポート2009 第三者意見

秋山をね

株式会社インテグレックス
代表取締役社長

秋山をね

 昨年、CSRレポートは、CSR活動の報告だけでなく、企業の理念実現のための計画、実行、検証、改善と理念の再確認という一連の取り組み(PDCA)に対するコミットメントの発信ともいえると書きました。本年も同じ視点から意見を述べたいと思います。

1.評価したい点

 本年のレポートで、最も印象に残ったのは、トップメッセージでした。百貨店の抱える構造的な問題を「悪の循環」と呼び、それを断ち切るために、お客さまに改めて真摯に向きあい、信頼関係を深めていく(グループ理念の実現)とする決意がひしひしと伝わってきました。
 グループ理念の実現に向けて、CSR中期計画を策定し、本レポートで紹介していますが、「環境改善」、「品質・安全性」、「雇用・人材」の3つの重点分野において、2011年度にありたい姿を具体的に描くことで目標を明確にしており、PDCAを回しながら継続的に取り組みを進める姿勢が評価できます。
 実際の取り組みについても、各重点分野で冒頭に重点課題を掲げてから具体的な活動を説明し、最後に「課題と目標」として活動のまとめを行っており、PDCAを意識した報告への努力が感じられます。
 また、本年も随所に「VOICE」として社員・ステークホルダーの声が掲載されており、全員参加で、「向き合い」ながら取り組みを進める姿勢が感じられます。
 「特集」では、大勢のお客さまと直接触れ合うことができる百貨店としての強みを活かしたさまざまな環境改善への取り組みが紹介されており、興味深い内容となっています。

2.努力を求めたい点

 具体的な取り組みについて、今後、CSR中期計画の行程表に沿った活動の報告を期待します。中期計画の目標達成のための取り組み予定を時間軸と共に示し、実施した取り組みの内容と、それに対する自己評価や課題、それを踏まえた次の活動計画が、例えば表形式でポイントごとに具体的に記載されると、成果がわかりやすくなると共に、PDCAが回り、継続的な活動につながります。
 また、アジアでの百貨店事業の拡大を進めていく中で、海外での取り組みが一層重要となります。海外グループ店舗各店の取り組みが紹介されてはいますが、今後、3つの重点分野における海外での課題や取り組み、成果等について、一層の情報発信をされることを期待します。

3.今後への期待

 グローバルな経済・社会環境の激変の中、「社会最適」な事業活動を行う企業だけが、今後も持続可能であると考えられます。人が変わっても、「お客さまにとって『なくてはならない存在』となるために、お客さまとの絆を大切にし信頼関係を深めていく」という思いの下、百貨店業界における最大級のピンチを進化のための大きなチャンスととらえ、「世界随一の小売サービス業」に向かって進化されていくことを期待します。

プロフィール

秋山をね
株式会社インテグレックス代表取締役社長

慶應義塾大学経済学部卒業。青山学院大学大学院修了、ファイナンス修士。
大学卒業後、米系証券会社にて外国債券のトレーダーを務める。2001年6月に、社会責任投資(SRI)および企業社会責任(CSR)の推進を行なう(株)インテグレックスを設立、代表取締役に就任。現在、内閣府「新しい公共」円卓会議構成員、東洋経済新報社サステナビリティ報告書賞審査員、社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)理事なども務める。

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